倉庫の街はハンブルグの大きな倉庫街で大きな商社を経営するゲームです。
船から貨物を受け取ったり、火災に備えて消防士を獲得したり、集めた商品で契約を達成していく競りゲームです。
倉庫の街について
作者はシュテファン・フェルトです。フェルトというと今でこそ「要素てんこ盛り!」のイメージが強いですが、倉庫の街は非常にシンプルです。
ブルゴーニュ、ボラボラ、ノートルダム、トラヤヌス、リアルト橋など
ゲームは5つのフェイズに分かれています。
1. 供給
山札からカードをめくり、ゲームボードに並べていきます。このとき船カードが出たならばランダムで商品コマを乗せます。
2. 需要
ゲームのメインとなる競りの部分です。自分が欲しいカードに労働者コマを配置していきます。すでにコマが置かれていればその上のマスに配置します。置ける場所は自由で自分のコマしかないところに、さらにコマを配置することも可能です。
3. 購入
労働者コマを置いたカードを購入します。購入権利はもっとも後にコマを置いた人にあり、そこに置かれているコマの数が価格です。パスの場合はコマを手元に戻し、次の人に購入権が移ります。
4. 荷下ろし
船カードを獲得した場合、そこに置かれた商品コマの処理をします。
5. 収入
各プレイヤーは1コインを得ます。このラウンドでカードを1枚も買わなかった場合は追加で1コインを得ます。
山札がなくなり、最後の火災の処理をしたならばゲーム終了です。もっとも得点の多いプレイヤーの勝利です。
倉庫の街の魅力
労働者コマを好きなところに3つ置く。
これがゲームの根幹です。あとはそれによる処理があるだけで、考えるべきことはどのカードをどのくらいの値段で手に入れるかということだけです。
先に買えるけれども値段が高い。
安く買えるけれども買えないかもしれない。
この駆け引きがとても熱いです。
基本的には効率良く契約を達成することが目的なのですが、忘れてはならない重要なポイントが火災です。ゲームでは必ず4回の火災が起きます。火災が起きたときに、消防士の数字の合計がもっとも少ない人が失点となります。この失点は回を重ねるごとに大きくなり、序盤はそれほど痛くないのですが、かといって放置しておくと、後半かなりの痛手になります。

ゲーム中はこのような悩ましい状況が常にあります。
また、倉庫の街には「波止場の倉庫」という拡張があります。これが加わるとカードの種類や商品の種類が増え、よりゲームの展開が豊かになります。ただ、その分ルールが複雑になり、言語依存が出てくるため、入れるかどうかは好みが分かれるところです。
駆け引きを楽しむならば、拡張なしの方がおすすめです。
ある程度回数をこなしたら拡張を入れるのもいいでしょう。
個人的に拡張の大きな魅力はコインにあります。基本セットのコインは厚紙製なのですが、拡張のコインは金属製です。質感がまったく違うので、このコインのためだけに拡張を買うのもアリかと思います。