Wettlauf nach El Dorado(エルドラド)はクニツィアによるデッキ構築+レースゲームです。ドイツ年間ゲーム大賞2017にノミネートされたことにより注目を集め、現在、国内では入手困難になっています。(ノミネート作品はキングドミノ、マジックメイズ、エルドラドの3作品です)分かりやすいルールなので、デッキ構築を遊んだことがある人ならば、簡単な説明ですぐに遊ぶことができます。
エルドラドについて
各プレイヤーは8枚からなるデッキとリファレンスが書かれた個人ボードを受け取ります。ゲームボードは六角形のタイルを組み合わせて作ります。マップによって横長になったり、S字になったりと形が変わります。タイルの向きによってかなりゲームバランスが変わってくるので、最初はオススメの配置方法に従った方がいいです。
自分のプレイヤーカラーのコマをスタート地点に配置して、ゲーム開始です。
手番は以下の3つのフェイズからなります。
1.カードのプレイ
手札は4枚です。カードには2種類の役割があります。
1つが移動です。
マップには地形マス(緑・黄・青)、荒地マス(灰)、ベースキャンプマス(赤)があります。
地形マスへは対応する色のカードをプレイすることで移動できます。ただし、地形マスは強さの値をもっており、それを上回る数値のカードでしか移動できません。たとえば、強さが3の地形には同じ色の3以上の数値を持ったカードが必要です。1と2のカードを組み合わせて3といった使い方はできません。
灰色の荒地マスはアイコンで書かれた枚数のカードをプレイすることで通れます。プレイするカードは何色でもOKで、すべての能力が失われます。
赤色のベースキャンプマスでは、アイコンの数のカードを破棄します。破棄されたカードはゲームから取り除かれます。デッキ構築でいうところの圧縮の役割を担います。
2つめがカード購入です。
カードの購入は移動の前でも後でも構いません。上にお金のアイコンがあるものは、その数字分の価値があります。お金が書かれていないカードも0.5金の価値があります。
市場には6種類の探検カードと、上級の12種類のカードが置かれています。カードは毎回、全種類使うのでサプライは固定です。最初に購入できるのは、6種類のうちのいずれかです。この6種類のうち、どれかがなくなると、上級の好きなカードを買うことができるようになります。
誰かが上級カードを買うと、そのカードが市場に補給されるので、再びどれかが切れるまで新しい上級カードは買えなくなります。
購入したカードは一般的なデッキ構築同様、捨札に入ります。
2.カードを捨札に
移動にも購入にも使わずに残った手札は次のラウンドへ持ち越すことができます。また、持ち越さずにすべて捨てても構いません。すべてを残すかすべてを捨てるかなので、どれかを残しどれかを捨てるといったことはできません。
3.カードの補充
手札が4枚になるように補充します。もし山札が切れてしまったら、捨札をシャッフルして新たな山札を作ります。
これを繰り返し、最初にゴールにたどり着いたプレイヤーの勝利です。もし、同じラウンドに複数のプレイヤーがゴールしたならゲーム中に獲得したバリケードを多く持っているプレイヤーの勝利です。
何度も遊びたくなるテンポの良さ
非常に評判が良かったので、どんなゲームか気になっていたのですが、なるほど、これは面白いです。
毎回すべてのカードが登場するので一度遊べば全部を把握できますし、効果もアイコンで理解できます。何種類かテキスト効果があるカードもありますが、アイコンが併記してあるため、それで十分に理解可能です。
実際に遊んでみると、マップが実にいやらしく構成されていることに気づきます。コース取りがとても重要で、レースゲームらしさを存分に味わえます。だいたいにおいて「ちょっとそこ邪魔!」といった展開になりがちです(笑)
位置取りに失敗して出遅れてしまっても、強いカードを蓄えて一気に追い上げるといったことが可能なので、最後まで油断できません。
今回は全員が初プレイで4人で遊んでみたのですが、1プレイ30~40分ほどということもあり、3回連続で遊びました。ゲームが終わるたびに「あそこであれが出てればな」「そのカード強いね」「これは使えなかった」といった会話がなされ、またすぐに遊びたくなる魅力があります。
同時期に出たデッキ構築ということで、バレッタと比較されがちですが、プレイ感がまったく違うので、どっちが優れているというものではありません。パスタだったら「ペペロンチーノとカルボナーラのどっちがいい?」といった感じなので、完全に好みの問題です。そのため「エルドラドを買うからバレッタはいらない」という考え方は、ちょっともったいないかもしれません。
カードの種類がそこまで多くなく、効果も分かりやすいので、デッキ構築にありがちな「カード効果を理解してから勝負」といった感覚がありません。そのため、今までのデッキ構築が苦手だった人にも遊んでみて欲しいゲームです。